カナル型イヤホンについて
カナル型イヤホンとは、耳栓型のイヤホンです。
遮音性が高くノイズを遮断できるため、移動時にも高音質を楽しめます。
iPodなどによるデジタルオーディオプレーヤーの普及とともに大人気となっています。
1万円を超える高級機種も多く発売されており、ヘッドホン・イヤホン・ポータブルプレーヤーの愛好家を中心とした高音質を求むユーザーの注目を集めています。
イヤーチップ(耳栓の部品)を変えられる物が多く、耳の穴の大きさに合わせて選びます。
イヤーチップは基本的に消耗品で汚れたり形が崩れてきたら別途購入することで交換できます。
耳の外耳道のことを英語でear canalと呼びます。
カナル型イヤホンは外耳道の奥にまで入れることからこう呼ばれるようになりました。
呼び方は様々でカナル型ヘッドホン、カナルタイプイヤホンなどとも呼ばれています。
ちなみにイヤホンはインナーイヤーヘッドホンの略称だと考えることもできます。
カナル型イヤホンには、主にダイナミック型ドライバーとバランスドアーマチュア型ドライバーの2種類のドライバーが使われています。
ドライバーとは、ヘッドホンの音を鳴らす部品のことです。
ダイナミック型は低価格帯に多く、バランスドアーマチュア型は高価格帯に多いです。
ダイナミック型ドライバーとは
ダイナミック型とは、最も一般的なドライバーの駆動方法です。
コイル(電磁石)の中心に磁石を置き、コイルに+−の電流を流すと磁石が振動するのを利用し、磁石に物理的にくっ付いている振動板を動かします。
現在でもヘッドホンメーカーとして人気のあるbeyerdynamicが開発しました。
◇beyerdynamic(ヘッドホン初心者のリンク集)
ダイナミック型ドライバーは、イヤホンも含めたヘッドホン全般で最も多く使われています。
安価にも作ることができ、低音の表現力に優れいて、再生周波数帯域が広い特徴があります。
バランスドアーマチュア型ドライバーに比べて筐体が大きい不利な点があります。
ドライバーが大きいと、外耳道に挿し込みにくくカナル型には向かないのです。
◇SONY MDR-EX90SL
また遮音性を得るために密閉型にすると、ボディ内の音の反射により低音が不自然に増幅され音が篭りやすくなります。
そのため半密閉型にして、ある程度の遮音性を得つつクリアな音質に調整している物が(特に低価格帯には)多いです。
バランスドアーマチュア型ドライバーとは
バランスドアーマチュア型は、補聴器などでも多く使われているドライバーです。
二組のコイルでアーマチュア(接極子)を挟み込み、+−の電流を流すことでアーマチュアを動かします。
その動きを利用して、アーマチュアに物理的にくっ付いている振動板を動かして音を出すのがバランスドアーマチュア型ドライバとなります。
挟み込むようにあるコイルがアーマチュアを双方に引っ張りバランスを保っています。
コイルが一つでエンドアーマチュア、サイドアーマチュアなど呼ばれる電子部品もあります。
このバランスドアーマチュアの仕組みは、モーターやリレーなどの電子部品にも使われいます。
バランスドアーマチュア型ドライバーは、小型で、高解像度でフラットな音質、遮音性が高い特徴があります。
ドライバーが小さいため、外耳道に挿し込みやすくなりカナル型では有利になります。
ドライバ自身が密閉されており遮音性が高く、低音が不自然に増幅されることが少なく歪みの少ないフラットな音質を得ることができます。
ダイナミック型ドライバーに比べて、低音の表現力が劣り、再生周波数帯域が狭い不利な点もあります。
そのためドライバーが小さいのを利用し、ドライバーを複数にした2ドライバー方式や3ドライバー方式などが高級機にはあります。
ダイナミック型で低域をバランスドアーマチュア型で高域を受け持つ2ドライバー方式の物もあります。


どちらも高域を1基、中低域を2Wayによる2基(2基のドライバーが1つに密閉され出口も一つになっている)が駆動する3ドライバーのSHUER SE530(上)Ultimate Ears Triple.fi 10 PRO(下)
◇SHURE SE530
◇Ultimate Ears Triple.fi 10 PRO
◇M-AUDIO Super.fi 5 EB
カナル型イヤホンの選び方
カナル型イヤホンの選び方です。
5千円以下の低価格帯は、ほぼ全てがダイナミック型が搭載された機種となります。
◇PHILIPS SHE9501
◇Creative EP-630
そのため選ぶときは、遮音性とクリアな音質のどちらを重視するか決めなければなりません。
また改造して遮音性を高める方法などもあります。
◇イヤホン:KOSS SPARKPLUGの改造(穴塞ぎ編)
1万5千円以下ではダイナミック型とバランスドアーマチュア型が混在しています。
約1万円をさかいにバランスドアーマチュア型が多くなります。

ダイナミック型で遮音性はほどほどだが低域再現性が評価されているaudio-technica ATH-CK7

バランスドアーマチュア型で遮音性が評判高いが低域再現性に賛否があるEtymotic Research ER6i
◇audio-technica ATH-CK7
◇Etymotic Research ER6i
この価格になると、ダイナミック型だからといって低音が篭っていたり遮音性が極端に低いような物は少なくなります。
もちろん遮音性に関してはバランスドアーマチュア型の方が高くなります。
反面この価格帯のバランスドアーマチュア型は低音の再現性に劣ると感じる人も多いです。
どちらのドライバーを選ぶかで大きく変わってくる価格帯と言えます。
それ以上の高価格帯。
バランスドアーマチュア型がほとんどで価格が上がるにつれドライバー搭載数が増えます。

Etymotic Reserachは遮音性と解像度の高さが評判。低域の大人しさに賛否。

SHUREはブランド力とモニターよりのバランスの良い性能に評判。価格に賛否。

Ultimate Earsは価格と音場の広さが評判。低域の柔らかさに賛否。
◇Etymotic Research ER-4S
◇SHURE SCL4
◇Ultimate Ears Super.fi 5 Pro
国内メーカーはまだまだ少なく、海外メーカーが多いです。
ほとんどの物が遮音性が高く、イヤーチップの選び方によっても遮音性が違ってきます。
低音の再現性はドライバー数が増えるほど高くなります。
この価格帯ではメーカーによる音質や遮音性の特徴をつかむことで選びやすくなります。
カナル型イヤホンの歴史
カナル型イヤホンの歴史は、1999年ごろから始まりました。
なおこの歴史とはコンシューマ(一般向け)販売の話です。
プロのミュージシャンによるステージ用モニターイヤホンとして使われていたのは1999年よりさらに過去になるようです。
耳栓型をしたイヤホンが登場したのはいつなのか知りたいところですが、情報を見つけることができませんでした。
低価格帯で普及していたのがSONY MDR-EX70SLです。ウォークマンの発売20周年を記念して発売されました。
◇News and Information "WM-WE01""D-E01""MDR-EX70SL"(SONY Drive)
またKOSS The Plugも1999年に発売開始。
直輸入で買う方やAIRYが並行輸入をしてオーディオファンの間で噂になりはじめました。
正規代理店であるTEAC(TASCAM)が本格的に輸入を始めたのは2002年ごろです。
◇KOSS THE PLUG
そしてヘッドホンファンの間では有名なギボシ改造が2ちゃんねるのKOSS The Plugスレッドから発案されました。
当時では数少ないカナル型イヤホンのSONY MDR-EX70SLとKOSS The Plug。
その良いところを合わせた改造はファンの間で大きな評判を生みました。
◇Koss Information: Koss Museum: 90's(KOSS(英字))
◇小寺信良の週刊「Electric Zooma!」(AV Watch)
◇KOSS The Plug に SONY MDR-EX70/51/71 のイヤーピースを移植する(さいたまAudio)
◇ザ・プラーグスレ(ヘッドホンナビ内2ちゃんねる過去ログ)
高級機では、2000年ごろ、オーディオファンの間から現在でも高級カナル型イヤホンの代名詞の一つであるEtymotic Reserch ER-4Sが噂になりはじめました。
イーディオというオーディオショップが代理店をはじめました。
◇ER−4シリーズ(イーディオ)
◇イーディオ新掲示板:@niftyレンタル掲示板:@nifty
そして2003年に当時も今もマイクでも有名なSHUREがE1c、E2c、E4cを発表。
サウンドハウスの並行輸入によるE2cの(当時では)激安価格が2ちゃんねるで祭りとなり高級カナル型イヤホンが本格的に認知されはじめました。
◇2ちゃんねるで祭りになったイヤホンSHURE E2紹介(さいたまAudio)
以降ゆるやかにデジタルオーディオプレイヤーの流行とともにカナル型イヤホンも流行していきます。
国内メーカーで初めて本格的に高級カナル型イヤホンに参入したのはPanasonicでした。2005年のことです。
Panasonic RP-HJE70という国産高級カナル型イヤホンの登場で各種メディアも取り上げ、高級カナル型イヤホンへの注目度はオーディオファン以外の一般層へも高まっていきました。
同年audio-technicaから高級カナル型イヤホンATH-CK7が発売。
他社も追うように低価格帯はもちろん高価格帯のカナル型イヤホンを発売するようになりました。
◇Panasonic RP-HJE70
しかし当時の国内メーカーの多くは、ダイナミック型ドライバーを採用をした約1万円程度の物でした。
1万円を超える外国産のバランスドアーマチュア型ドライバーを採用した物に遮音性や原音再現性などで劣っていました。
カナル型イヤホンの人気は留まることを知らず、2006年に国内メーカーもaudio-technica ATH-CK9などバランスドアーマチュア型ドライバーを採用したカナル型イヤホンが発売されはじめました。
◇audio-technica ATH-CK9
しかし海外メーカーの参入はさらに増し、SHUREやEtymotic ReserchだけでなくUltimate EarsやHarman/Kardonnなど既に多くのメーカーが人気になっていました。
そして2008年現在、3万円以上するイヤホンが飛ぶように売れ、国内メーカーも更に高級化を進めてきています。
まさにカナル型イヤホン市場は下克上の群雄割拠。戦国時代となっています。
カナル型イヤホンの流行の歴史を作ってきたのは、ひとつはiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーの普及が大きく影響しているのは言うまでもありません。
そして言及すべきもうひとつは、ファンによるインターネットを中心とした口コミです。
国内メーカーはファンの増加による後押しを受けて、こだわりのあるアイデアをも製品化しています。
海外メーカーも同じ理由で、さらなる高級機の製品化や新メーカーの参入などが進んでいます。
◇Victor HP-FX500
◇SONY MDR-EX700SL
カナル型イヤホンの歴史は、ファンとメーカーとが共に作っている非常に良い流れの中にあるといえます。
概要、選び方、歴史という3部構成でまとめてみました。
長文でちょっと専門的な内容も多く読みづらいところもあるかもしれません。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
カナル型イヤホンについて調べに訪れてくれたお客様へ、できるだけ答えられるようにと書いてみました。
ここに書いていること以外にもわからないことがあったら、書き込み欄にご記入いただければ回答させていただきます。
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◇ヘッドホンの選び方
◇カテゴリ:SHURE SCL4
◇カテゴリ:KOSS SPARKPLUG




















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